菊芋新発見~見聞行考録~

菊芋の栽培や6次化のことを思うままに書いています。

高レベル無農薬栽培農家の方のお話し

炭素循環農法で無農薬栽培を実践されているSさんにお話しを伺いました。
炭素循環農法は農薬や肥料は全く使わない農産物栽培手法で、自然農の一種です、
Sさんの畑の土のレベルの高さには驚きました。
2mの杭を農地へ突き刺していくと10秒くらいで地面に埋まっていく程、柔らかい土つくりを完成されています。
そんな上質に仕上げた土で栽培される農産物ですから、品質ももちろん高いです。
でもそれと同じくらい、Sさんの農業に関する知識・理論のレベルがとても高く、ヒントをたくさんいただけました。
無農薬栽培に適した土は「土つくり」に3年以上かかります。
出来上がると土中の窒素が抜けます。
また、適度に白絹菌が繁殖するそうです。
これは貴重な情報です。
白絹菌は白絹病の原因になります。
だから菊芋栽培の大敵です。
でも、野菜を無農薬で育てるのには必要な菌とのこと。
主に葉物の多品種の野菜が立派に育っています。
そんな上質の土でも、土質にあわない野菜は上手く育たないそうです。

菊芋が栽培中に枯れてしまうのは、その畑の白絹菌の量が多いからだろうと納得。
収穫が終わったら石灰を撒いておくと、白絹病の予防になるそうです。
今年は、予防にもっと有効な方法が研究機関から発表開されるかと。
私の経験を述べますと、
白絹病の発生を早期発見できた場合は、菌を除去して茎に消石灰を振ると、ある程度は病気の拡大が防げました。
但し、それでも白絹病が進んでしまった場合は、早めに茎を引っこ抜いて病気の拡大を防いでください。
次の年もそこで菊芋を栽培する場合には、引っこ抜いた箇所にも消石灰を撒いておいたほうが白絹菌の拡散を防げそうです。
無農薬栽培の場合は、無農薬対応種の石灰をまいたほうが安心です。

畑の土質は土壌分析すれば判ります。
白絹菌が多い畑の場合はその土に適した野菜を栽培した方がいいと個人的には思います。
今期は、白絹病かな?と思ったけれど順調に育った箇所もありました。
菊芋は、まだまだ謎が多い野菜です。
菊芋の葉を乾燥させたものを見られたSさんいわく
「これ(乾燥させた葉)は、炭素循環農法の土つくりにかなり有効な成分になりそう。」
葉だけでなく茎などを乾燥させたものも有効な成分になるかも。

「イモの部分」に限らず、菊芋の用い方には多種多様な検討余地がありそうです。