菊芋新発見~見聞行考録~

菊芋の栽培や6次化のことを思うままに書いています。

菊芋の基準値について感じたこと

基準って大切だなと思えたことを書いてみます。
菊芋のことを語る際には、イヌリンがよく出てきます。

今まで、生の菊芋のイヌリン含有量は15%程度だと思っていました。
論拠は、五訂食品成分表によると、菊芋に含まれる糖質は15%で、そのほとんどがイヌリンだという説でした。
また、乾燥させた菊芋のイヌリン含有量は60%程度だと思っていました。
論拠は、よく見かけるベルリン工科大学の測定結果です。
五訂食品成分表によると、生菊芋の水分は約81%です。
乾燥させた菊芋は、水分が大幅に減るけれどイヌリンは減らないので、イヌリンの比率が高まるからそうなると思っていました。
しかし、菊芋の勉強会で聞いた話では、複数の場所で栽培した生菊芋を計測したところ、全て基準の倍以上のイヌリン含有比率だったとのこと。
ちなみに、生菊芋のイヌリン含有量は、時間の経過とともに減っていきます。
同じ畑で栽培しても収穫時期によってイヌリン含有量が変化するということになります。


菊芋の基準値は曖昧だというお話でした。

かなり理屈っぽい文書になったので、このへんでと思ったけど、最後に一つだけ。
生の菊芋のイヌリン含有割合が60%という表現もネット上でよく見かけます。
でも、そんなに高い含有割合ではないようです。

乾燥させた菊芋(菊芋チップスや菊芋パウダー)の含有比率を、生の菊芋の含有比率と勘違いされてるのかも。

なぜイヌリン含有割合にこだわるかというと、どれくらいの量の菊芋を食べれば効果的かという課題と直結するからです。